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CULTURE 2017.06.27

SSENSE アトランタ出身ラッパー 6LACK に独占インタビュー

7min

業界のナンセンスを断固拒絶する
アトランタ出身ラッパー 6LACK

今注目のアトランタ出身のラッパー 6LACK(ブラック)が、SSENSE だけの独占インタビューで数字やミュージシャンの成長について語った。今回の SSENSE 独占インタビューで 6LACK が着用している服もクレジット(リンク付き)しているので、気になるアイテムは SSENSE でチェックを。

90年代以降、ポピュラー ミュージックのスタイルとジャンルは気が遠くなるほど膨大な変化を経てきた。もちろん、音楽業界は永遠に進化を続けるだろうし、リスナーの嗜好も変化し続けるのだが、それらの変化がどの程度レコード会社に操作されているのか、疑問に思うことも少なくない。レコード会社は人気の予想に基づいてアーティストを製造することができ、創造の主体であろうとする生来のアーティストや真に独創的なアーティストは、往々にして業界から締め出される。これは間違いない。幸いにも、危ういところで登場したインターネットは、著作権侵害やストリーミング配信など、あらゆる面で民主化を可能にする威力を発揮して、人々の手中に若干の力を奪い返しつついる。人気の予想や再現に躍起の業界では依然としてレコード会社の息のかかったアーティストが存在するだろうが、SoundCloud、オンライン ストリーミング、ソーシャル メディアが広く利用できるようになった現在、自らの力で誠実に成功への道を切り開くアーティストも増えている。

Jacket : Alexander McQueen
Pant : Saint Laurent

そんな中で、常に音楽チャートの上位を占めるアトランタ勢から、またひとり若きアーティスト、6LACK が登場した。メインストリームも注目を向ける 6LACK は、まだキャリアは長くないものの、その大半を通じて、業界の言いなりにならないことを立証してきたアーティストでもある。2011年に最初のレコード会社と袂を分かった後、ほどなくして、あらゆるところで彼の音楽を耳にするようになった。Kylie Jenner(カイリー・ジェンナー)から YesJulz(イエスジュールズ)にいたるまで、あらゆる人の SnapChat アップデートにブラックの曲が押し寄せている。

慌ただしい北米ツアーの最中に時間を割いてくれた 6LACK が、主体性を持つこと、自分の立場を守ることについて、Katrina Lainsbury(カトリーナ・レインズバリー)と対話した。レコード会社にとって都合のいい「金のなる木」とは一線を画しつつも、この木は確かに開花を迎えている。

Vest : Raf Simons
Shirt : D by D
Pant : Saint Laurent

数字

「6」は俺の人生に何回も出てくる数字なんだ。しょっちゅう目にする。生まれたのは6月、場所はアトランタのゾーン6。「6」は好きな数字だ。俺はずっと Black(ブラック)って呼ばれてたけど、大きくなってからは、6が俺を表す数字になった。

自立

俺はくよくよこだわらない。どんどん自分の限界を試して、自分に何ができるかを知りたい。だからといって、俺が望まないことを人に押し付けられるのは嫌だ。

新しいレコード会社との契約

あの時は、自分の進みたい方向がはっきり分かってた。その方向を変えさせたり、その方向から遠ざけるなんて、誰にもできないと思った。業界の汚い部分はもう充分見てきたから、何が起こるか予測できる。驚かされることなんか、何もない。弱点を突かれることも、不意打ちを食らうこともないさ。

Sweater : CDG Homme Plus
Pant : Dsquared2
Ring : Versace

友達と仕事

友達と一緒に仕事をするのは理想だ。友達と呼べる関係があるのはいいことさ。何が正しくて、何が間違っているか、知ることができる。自分以外の誰かと本当に対話できる。友達じゃなかったら、そうはいかないんだ。友達と一緒にツアーをするのは楽しいし、ツアーの仲間と本当の家族のように楽しく過ごしてる。ただ仕事をするだけの人間の集まりじゃないんだ。

主体性

新しいことに挑戦して、自分の安全圏から出ることに、俺はオープンだよ。それが、自分にできることを見つける唯一の方法だからな。でも「これをやれ、こういう音楽を作れ」って人から言われるのとは違う。そういうことをやるレコード会社が多いんだ。やりたいことのイメージがなかったり、コアなファンがいなかったり、自分が何者なのかを分かってなかったりして、自分の中で動くものが何もなかったら、やつらが主導権を握ることになる。俺は誰にも主導権を渡す気はない。

熊は物静かで、落ち着いてて、何か安らぎを感じさせる。だけど「熊に手出しをするな」って言うだろ?平和的な動物だけど、絶対に絶対、限界を試しちゃいけないんだ。熊は強さ、力、支配のシンボルだ。熊は、俺をいちばん的確に表してると思う。俺が持ってた古いアルバムのジャケットに、熊が使われてたんだ。その古いジャケットを見て、その熊を見て、次にやるのは多分それじゃないかと思った。「PRBLMS」のビデオと「Free 6LACK」のアルバムジャケットに出てる熊は、バンバンって名前。

Vest : Stone Island
Hoodie : Tiger of Sweden Jeans

人気

俺はその準備をしたんだ。ここに辿り着くために、できることを確実にやってきた。でも、どれほど速く事が進んで、どれだけ大きくなるか、それは絶対に予測できない。1月には600人収容の会場でパフォーマてたしてたのに、4ヶ月後には1万5千人の前でパフォーマンスしてた。この先何が起こるか、予想もつかない。

想像力の発露

始めは絵を描き出したんだ。それが最初。それから、自然に音楽の方へ引き寄せられた。年を追っていろんなことに興味を持ったけど、今は、一度にひとつのことだけをマスターするのが大切なんだ。俺は音楽が大好きだ。目指すレベルにはまだ達してないことは自覚してるし、何をやるにせよ、先ず音楽の部分を理解することを優先したい。

Sweater : Acne Studios
Pant : Wales Bonner
Sneaker : Facetasm

ミュージシャンとしての成長

俺はバトルラップから始めて、普通のラップをやって、曲を作るようになった。そこから歌い方、録音、エンジニアリングの方法を独学した。全部、少しずつ。ひとつずつ、自分で勉強してきたんだ。

Jacket : Alexander McQueen
Pant : Dsquared2

ヒップホップの変化

1992年から今までを考えると、それほど長い間でもないのに、ヒップホップには最低でも15から20のサウンドがあった。あの変化には驚かされたさ。本当にいろんなサウンドがあって、いろんなスタイルがあって、いろんな格好があって…。自分が今そこに参加してるなんて、正直すごくハッピーだよ。何年か毎に何らかの転換や変化がある。それが音楽の素晴らしい部分だと思う。俺はいつも観察者なんだ。何が起きているか観察する。遅れずについていくのが、俺の目標。

Vest : Raf Simons
Shirt : D by D
Pant : Saint Laurent
Boots : Toga Virilis

「Free 6LACK」で好きな曲

「Free」だな。L.A. へ行った旅の終わり、いちばん最後に作った曲だ。「Free」はまさに俺が感じたすべて。ガールフレンドとの関係、自分、あらゆるレコード会社、そういうすべてについて、俺の気持ちを洗いざらいぶちまけたんだ。この曲に、何もかも吐き出したかった。曲作りが終わったときには、どういうタイトルにするか、考えるまでもなかった。

ツアー

ツアーはいい気分さ。毎日、目が覚めると、もっと音楽を作ろうと思う。今いる場所を失くさない方法、いつまでも活躍できる方法を考えるんだ。

Jacket : Alexander McQueen
Pant : Saint Laurent

将来の計画

何でも1日ずつの積み重ね。計画は、今年、来年、その次の年、その次の次の年、って具合に立てるだろうな。最後のプロジェクトが終わって2週間後には、スタジオに入って次のプロジェクトに取り掛かったんだ。遅れをとったり、消えてしまうつもりはない。いつでも音楽シーンに存在して、着実でありたい。俺は成長したい。

SSENSE.com


Interview : Katrina Lainsbury
Photography : Hannah Sider
Cinematography : Romeo Herrera
Styling : Savannah White
Grooming : Alana Wright, Karl Payton

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